食事は海外旅行の醍醐味の一つですよね!
この記事では、ゲルやモンゴルの田舎に1ヶ月ホームステイした間に食べた家庭料理を紹介していきます。
✅「モンゴルでしか食べられない料理が食べたい!」
✅「モンゴルの家庭ではどんなものを食べているの?」
この記事はそんなあなたにぴったりの内容です。
レストランで出るものより、野菜が少なかったり、見た目は劣っても、味は家庭料理の圧勝でした。
料理はだいたいシンプルなんですが、何を食べても素材の味がとても美味しかったです!
モンゴル家庭料理の特徴
モンゴルの家庭料理の味付けはだいたい塩オンリー。
ギョウザも焼きうどんも鍋も。(詳しい料理は後程紹介します)
日本だったら、だしとか醤油とかコンソメとか鶏ガラスープとかなにか入れたくなるところですが、モンゴルでいただいた料理は塩のみで全然物足りなく感じません。
肉の旨味と作りたての麺の小麦の香り、野菜の甘味。
全部が塩で引き立てられて、噛めば噛むほど美味しい!
そこに、こちらも塩味のミルクティー(とはいえ紅茶ではない)。
日本ではあり得ない組み合わせですが、ミネラルが不足しがちなモンゴル生活だからか、身体が喜んでいるのがわかる美味しさでした。
料理に時間がかかる。けど作りたてはもちもち最高の小麦粉料理
モンゴルの家庭料理では、小麦をよく食べます。
滞在中は肉と組み合わせて、焼きうどんやギョウザを食べることが多かったです。
ところがこの小麦粉を使った料理、めちゃくちゃ手間がかかります。
一番近いスーパーまで車で3時間。
ゲルには冷蔵庫なし。
ということは…??
パックのうどんもギョウザの皮もなし!
小麦粉を保存しておいて、毎回一から作ります。
ついでに肉の方は吊るしてあるのを捌くところからスタートです。
ゲルの奥さんの休み時間のなさ…。
(旦那さんは毎日どこかに出掛けていたので何をしてたかわかりません。)
家畜の世話もメインの目的は食物を得ることと考えると、「生きることは食べること」を体現する人生の時間配分です。
しかし、そうして出来上がった料理の美味しいこと!!
ゲル生活中、「おかわりいらない?」と言われて断ったことないです。
…単純に毎食お腹が空いていたからかもしれません笑
調理はゲルの真ん中にあるストーブで。
モンゴルのゲルには、水道も電気もガスも通っていません。
モンゴルに行って初めて、いつも使っているライフラインは人が作った物なんだと実感しました。
そんな中、唯一の熱源は、ゲル中央に設置されたストーブ。
燃料は乾燥牛糞でした。(観光用ゲルでは薪でした)
ゲル内を温めると同時に、上部分に大きい鍋を設置して調理できるようになっています。
ストーブは鉄製。
構造は案外単純で、ロケットストーブ(ペール缶を組み立てて作れる割に結構火力が出る、一時期流行ったやつです(私のまわりだけ?)。)を作るより、少し難しいくらいの難易度だと思います。
溶接さえ出来れば作れそうな感じです。
手前に灰を掻き出す所があって、真ん中に燃料を入れる所があり、奥に一段高くなるように煙突が付けてあります。
いつか作りたくて、サイズも測ったんですが、メモがまぎれてしまってので、発見したら図を載せようかと思います。(同志がどこかにいるはず・・・)
脱線しました・・・。
ストーブは錆びて年季が入っていましたが、大切に使われていることがわかる見た目でした。
一度、燃料の足しになるからいいか、と鼻をかんだティッシュを入れようとしたら、
「ストーブの火には神様が宿るから、ゴミは捨ててはいけない」
と言われました。
そんな神聖な物をよもや私の鼻水ごときで汚す所だったとは・・・。
危ない所でした。
ホームステイ中に食べた料理10選
ツォイワン(焼きうどん)
ゲル滞在中、一番よく食べた料理です。
小麦粉からうどんを作るところから始まります。
具は羊肉、にんじん、じゃがいものことが多かったです。
味付けは塩のみ。
日本だとソースとか醤油とか入れたくなるところですが、この塩のみの素朴な魅力といったら!
素材の味が噛むたびにじわじわ出てきて、とても美味しかったです。
汁があるうどんバージョンや、米バージョンもありました。
ボーズ(蒸しギョウザ)
ツォイワンと同じく、ギョウザの皮を小麦粉を練って作るところから始まります。
日本では「ギョウザの皮」として販売されている薄いやつで作ったギョウザか王将ギョウザしか食べたことがなかったので、分厚い皮のもちもち加減に衝撃!
溢れる肉汁と相まってめちゃくちゃ美味しかったです。
すっかり羊肉のファンです笑
ホルホグ(肉、野菜を石で蒸し焼き)
ホルホグはモンゴルのご馳走料理らしく、お祝いの時に食べることが多いそうです。
鍋(牛乳缶)の中に、羊肉とじゃがいもやにんじんなどの野菜と焼けた石をいれて、蓋をし、蒸し焼きにして作ります。
肉も野菜も塊で入っている、豪快な料理です。
塩をかけていただきます。
野菜がホクホクに仕上がって、甘味が増していて美味しかったです。
お肉は塊だったので、顎が鍛わりました。
おそらくレベルが1→10くらいアップしています。
モンゴルの方と比べたら、正月にあたりめで鍛えた私の顎の筋力なんて赤子同然です。
味はもちろん美味しかったです。
茹でた肉
タイトル通り、ゆでただけの肉です。
ほんの少し塩を振って、ナイフ片手に骨から食いちぎりながら食べます。
日本の魚と同じで、骨だけを残してきれいに肉を食べきると、喜んでもらえます。
あごがかなり鍛えられる料理でした。
モンゴルの方は食べるのが早くて、日々のトレーニングの成果をまざまざと見せつけられました。
早く食べないと食事の時間が終わってしまうので、美味しいけど、味わいきれない、ジレンマの料理でした。
(ゆっくり食べていても怒られたりしないんですが、居残り給食みたいで嫌なので・・・。)
噛めば噛むほど味が染み出してきて、羊肉ってこんなにおいしいんだ!とモンゴルで何回思ったかしれないことを、また感じさせてくれるシンプルイズベストな料理です。
羊の骨占い師
モンゴルでは羊肉が主食みたいなところがあるので、羊にちなんだ占いがあります。
まず、羊の関節の骨を4つ用意します。
それをサイコロの要領で振ります。
骨の形を見て占います。
骨の形の見方を解説します。
ちょうど、靴を飛ばして天気を占うときに、靴が上を向いた、ひっくり返った、横を向いたという見方をしますよね。
あれと同じ感じです。
骨は楕円形の円柱なので、前、後ろ、上、下のどの部分が上を向いているかを見ます。
この骨の形も、モンゴルらしく、上向きだの下向きだのではなく、動物に見立てられています。
四方向それぞれ、馬、ラクダ、羊、ヤギです。
四つの骨を同時に振っているので、出た形の組み合わせで占います。
ボロッとしていますが、英語の解説表を見せてもらったので、貼っておきます。
骨の形の図解もあります。
羊の関節が4つ集まったら、ぜひお試しくださいね!
スーテーツァイ(塩味ミルクティー)
モンゴル、ゲルの飲み物と言ったらこれでした。
お茶は紅茶ではなく黒茶(後発酵茶=プーアル茶)を使用します。
このお茶は、輸送手段が発達するまでは遥か南、中国は雲南省から、キャラバンが茶馬古道を通って運んで来ていたわけです。
もうロマンしかありませんね!
ここくまは、茶の作り方を海外で学ぶためだけに英語と中国語をしゃべれるようになった程度にはお茶好きなので、実物を見られた時は感動でした。
このお茶を薄く淹れて、牛乳と塩を入れたらスーテーツァイの出来上がり。
朝に作った物を保温ポットに移して、一日飲んでいました。
お茶自体は高級茶でもなく、枯草っぽい香りが強かったです。
遊牧民にとってはお茶は不足しがちなミネラルを補うためにも欠かせないものだそうです。
最初にこの話を聞いたときは、遠路はるばる運んでまで、お茶にこだわらなくても良いのでは?と思ったのですが、実際にゲルで生活すると、お茶が選ばれた理由は想像できました。
モンゴルで利用されるお茶は、団茶という、ギュッと固められた物です。
茶葉の嵩を減らし、輸送効率を上げるためにこの形になったと言われています。
また、緑茶と違い、年月による劣化が少ないのも利点です。
緑茶より黒茶の方が安価であったのも理由かと思います。
(緑茶=発酵(正確には酸化ですが)させずに作る、というのは、山で茶葉を摘んで、人力で加工場まで持ってきていた時はかなり大変なことでした。
一休み、と言って休んでいるうちに、極端なことを言うと、茶葉はウーロン茶(半発酵茶)→紅茶(完全発酵茶)になっていくので、緑茶は高級茶だったそうです。)
保存性と輸送性、摂取しやすさに優れた茶に、塩と牛乳を加えて栄養価を足した、遊牧民の必須飲料なんだな、と思いました。
バンタン(羊肉とうどんと野菜と小麦で作ったスープ)
胃にやさし〜いスープです。
余った羊肉と野菜をくつくつ煮て、小麦粉を水で練ったワンタンかすいとんみたいなやつをいれて、塩で味付たら完成です。
小麦粉が入っているからか、とろっとしていて、寒いゲルのなか、身体がぽかぽか暖まります。
味付けはこれまた塩のみなんですが、塩って美味しいんだなぁ…と噛み締める料理でした。
ウルム(バターの原型みたいなやつ)
牛乳を絞ったあと、静置しておくと、上の方に脂肪分の層ができ、固まります。
その脂肪分の層を取り分けたのがウルム。
栄養価の高い食べ物として重宝されています。
味はさっぱりしたバターみたいな感じ。
口に入れた瞬間蕩けて、じわ~っと口いっぱいに絞りたての新鮮な牛乳のフレッシュな香りが広がります。
乳製品好きにはたまりません。
アーロール(干しヨーグルト)
牛乳に小麦粉や砂糖を混ぜて練り、絞り袋で絞り出してゲルの天井に置き、乾燥させて作ります。
絞るときは結構握力がいります。
体力測定握力Dだったここくまは、お手伝いさせてもらった時、途中で握力が尽きました。
アーロールはおやつ系の保存食です。
味は甘酸っぱいです。
家庭ごと、お店ごとに固さ、甘さ、味わいが異なります。
モンゴルで最初に滞在したゲルのアーロールが甘いヨーグルト味でとても美味しかったです。
ウランバートルに戻ったあと、アーロールが売ってるのを見つけるたびに少量ずつ買って(量り売りしてます)試しましたが、良し悪しはかなり別れました。
一店舗で数種類のアーロールを扱っている店もあり、そういう店は試食させてくれました。
カチカチに固まっていて食べにくいもの、ちょっと古いのかな?と感じる風味のもの、酸っぱいだけのもの、
甘いヨーグルト味のものなど様々でした。
気に入ったものは多めに買って、出国時のおやつにしました。
いろいろ試すのも楽しいので、ぜひお気に入りを探して下さいね。
チーズ
ゲルの柱につるして作ります。
冬場の貴重なたんぱく源です。
ほんのり酸味があって、たくさん食べられる!という感じの味ではありませんでしたが、素朴な牛乳の風味がおいしかったです。
馬乳酒
ウェルカムドリンクとしてゲルに着いた日に振る舞ってもらいました。
味は酸っぱかったことだけは覚えています。
ここくまは馬乳酒にアレルギーがあったようで、全身の腫れ、痒み、嘔吐、下痢で半日寝込みました。
訪ねるゲルごとに、歓迎の意を込めて振る舞おうとしてくれて、断るのが心苦しかったです。
でも健康には変えられませんから…。
ここくまは他に、くるみ、ヘーゼルナッツ、生卵、山芋にアレルギーがあります。
もし同じものにアレルギーがある方がおられましたら馬乳酒には一応警戒して下さい。
まとめ
モンゴルのディープなグルメ9選、いかがだったでしょうか?
羊肉にしても、乳製品にしても、新鮮な食材を使うからこそ、シンプルな料理がとてもおいしかったです。
冷蔵庫やスーパーは近くにないので、昔ながらの手の込んだ料理が多かったのも印象的でした。
何かをおいしくいただこうと思ったら、本来こんなに時間がかかるんだなぁ・・・と食べることを見つめ直すことができたモンゴル家庭料理の数々でした。
モンゴルに行ったらぜひ家庭料理も試してみてくださいね!
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