今回はモンゴルで遊牧民のゲルに滞在させてもらった時のことをまとめました。
ここくまはツアーの至れり尽くせりなゲルではなく、できるだけ現地遊牧民の、そのままの生活を味わいたかったので、自分で探して連絡をとり、ホームステイ先を探して行ってきました。
モンゴルに知り合いもツテもないここくまでも最高のホームステイができたので方法と合わせてまとめました。
この記事はこんな人に役立つ体験記になっています。
✅実際のゲルでの生活ってどんな感じなの?
✅大自然での生活を見てみたい!
それではモンゴルでのゲルホームステイ体験記スタートです。
モンゴルバックパッカー旅:遊牧民ゲルにホームステイしたい!
モンゴルといえば、どんなことを思い浮かべますか?
ここくまはどこまでも続く大草原に白いゲルと馬の群れでした。
一度でいいから遊牧民のようにゲルで生活してみたい!
そんな憧れを今回叶えることができました。
滞在したのは父母2歳の息子の三人家族のご家庭。
息子くんかわいい~!
髪の毛が長くて、最初女の子かと思いました。
日本でも3歳までは神の子といいますが、モンゴルもそうで、敏感な赤ちゃんを守っているのが髪の毛。
だから、数えの3歳で断髪式を行うまでは、髪の毛には一切手をつけないそうです
そして、断髪式では一転、丸坊主になるんだとか。
それはそれでかわいいんだろうな笑
モンゴルホームステイ:ゲルの中には何がある?実は電気が使える仕組みも!
火の精霊が宿るストーブ
ゲルに入って一番最初に目につくのは中央のストーブ。
室内を暖めつつ、調理も行います。
火の精霊が宿っているらしく、このストーブでゴミを燃やすのは禁止。
燃料はなんと乾燥した牛の糞でした。(木を使っているところもあります。)
外でカラカラに乾燥しているため、匂いはしません。
牛糞を燃やすって、昔読んだ、中国が舞台の時代小説蒼穹の昴やん!
こんな風に燃えるんやなぁ。
燃えた後の灰は外に撒いて、牧草の肥やしに。
糞まで余すことなく使われる牛の重要度って言ったら…
無人島になにかひとつ持っていけるなら、牛がいいかもしれません。
ゲルの中の家具類
ゲルの中は思ったより広く、棚や馬乳酒のタンク、ベッド、机などが置いてあります。
ドアは低めで身長156センチのここくまでもちょっとかがんで通ります。
印象的だったのはカーバッテリー。
ゲルの扉脇にソーラーパネルが設置してあり、そこで充電します。
ひとつ外で充電しておいて、ひとつはゲル内で使用。
これでゲル内の電球や、スマホの電力を賄っていました。
冷蔵庫や洗濯機などの白物家電を使えるほどの電力はないんですが、十分といえば十分。
エコで、かつ、電気が通ってなくてもどこでもスマホが使える「技あり」!と思った仕組みでした。
モンゴルホームステイ:遊牧民ゲルでの一日の過ごし方
モンゴルの皆さん、朝が早い!
私が6時に起きても、もうベッドは抜け殻なので、相当早いです。
10月なので、6時でもまだ外は真っ暗。
吹きっさらしの草原は寒い…。
朝起きたらお父さんは馬に乗って外回り。
お母さんは牛と馬の乳搾りからスタート。
お父さんはタンクに水をくんで戻ってきたりする以外は、そのまま午前中いっぱい何処かへ出掛けています。
お母さんは家の用事。
料理、洗濯、家畜の世話などなど。
息子くんはチョロチョロ遊んでいます。キャプテンアメリカの盾がお気に入り。
私はお母さんの仕事を手伝ったり、息子くんと遊んだり、散歩したりして過ごしました。
家電製品なし、洗剤なしだと、食器汚れも、洗濯物の汚れも落ちないもんですね…
特に食器と食器拭き!
肉を食べるので油ギトギトなんですが、ぬるま湯では洗っても洗ってもぬるぬる。
食器拭きはあっという間に黒ずんでベタベタ。
日本の洗剤恋しさ半分、ギトギト汚れを誰も気にしていない現状に、人間って強いもんだな、と諦め半分の後片付けでした。
さすがに真っ黒のふきんで拭き上げるのは気が引けたので、自然乾燥にしておきました。
そして、日が暮れたら就寝。
太陽に合わせて一日が進みます。
夜型のここくま、こんな健康的な生活したことありません(笑)
モンゴルホームステイ:遊牧民の生活。動物との暮らし
遊牧民にとって、家畜は財産。
食べるものは肉や乳製品が多く、命をもらって今日一日を生きている実感が強くありました。
アーロール
ゲル内では青いポリタンクでチーズを作成中。ほかに、別のタンクで馬乳酒も作っていました。
羊を捕まえ、捌く
食べる
遊牧民の生活は想像していた以上に厳しいものでした。
家事や家畜の世話に追われて一日が終わります。
首都ウランバートルに人口が集中しているのが問題になっていると現地で聞きました。
インフラの整っていないモンゴルで、お金を稼ぎ、電化製品に囲まれ、おしゃれして、という今の日本では当たり前の生活をしようと思ったらウランバートルに行かざるを得ないので、そりゃそうなるわな、と納得。
ですが、その一方で、目の前の肉を捌き食らい、簡易的な家(ゲル)に住み…という、生活のほぼ全てが手の内にある事実は、ひしひしと今生きているんだと感じさせてくれました。
モンゴル遊牧民との生活は、日本にいたら使わない、脳の本能に根差した部分が働いている感覚があって、鬱とは無縁の生活だと感じました。
地平線や満天の星空を眺めていると、ちっぽけな自分の悩みなんて大したものではないなぁ、と思う感覚、ありますよね。
自分ってなんてちっぽけなんだろうと思った瞬間に、逆説的ですが、ここに存在していると強く感じる感覚です。
モンゴルの遊牧民との生活では、そんな風に、ここで今生きていると感じることが多くありました。
この辺りがモンゴルに憧れる所以かなと思いました。
日本で脳ミソにあれこれ絶え間なく詰め込んで、なんのために生きてるんだろう…ってなったら、モンゴル、おすすめです。
一方で、遊牧民の生活も便利にはなっていて、牛や馬を追うのにトラックやバイクを使っていたり、スマホを使っていたり、使えるものは上手に取り入れているのが面白かったです。
モンゴルホームステイ:ゲルってすごい!住み心地と移動しやすさを両立してる!
ゲル中の様子
ゲル移動の時の様子。
あっという間に枠組みが外されて内部が丸見え!
違和感がすごい(笑)
今回は10月に滞在しました。
風が強く、朝晩は特に強く冷え込む季節です。
木枠に布を被せて組み立てるゲル。
夏と冬で仕様が違って、冬は分厚い布を使用します。
そのおかげで夜は風がびゅうびゅう吹いているにもかかわらず、ゲルの中は快適でした。
さすがにストーブを消すと日本人のここくまは寝袋必須な気温でしたが、ホストファミリーの皆さんはTシャツ一枚で寝ていました。さすがです。
ゲルは屋根から中の木組みまで余すことなく使われています。
ここくまもゲルの木組みに洗濯物や外套を干していました。
移動の時は半日かからず解体完了。
トラックに積み込んで引っ越しします。
話を聞いてみると、春秋、夏、冬で家族ごとに移動先は決まっているのだとか。
お互いに把握もしていて、よその家族の領地(?)にはゲルを建てられないんだそうです。確かに考えて見ると、移動シーズンごとに場所の取り合いでケンカしたくもないですし、毎年毎年のことだからいちいち新たな土地を探し求めて家畜と大移動するより、行き先が決まっていた方がいいよな、と納得した話でした。
組み立てるのも半日くらいで完了。
一年で4回ほど引っ越すとなれば、一日でだいたいの作業が終わるくらいじゃないと、やってられん・・・。
そんな気持ちでかはわかりませんが、超効率的な引っ越しを可能にする、機能美あふれるゲルは魅力満載でした。
ここくまが土地持ちなら買って帰りたかった・・・。
モンゴルホームステイ:ホームステイは何泊くらいがおすすめ?
ここくまのおすすめは移動日含め、最低一週間くらいです。
ゲルでの生活を体感して、いろんなおしゃべりをして、羊肉に慣れるのに一週間くらいは合った方が良いと思います。
短すぎると観光施設巡りと変わらない感じになってしまい、生活を体感する間もありません。
逆に長い分には楽しめる期間が伸びるだけで、全然問題ありません。
ゲルでの生活にどっぷり浸りたいなら、長い方がもちろん良いですが、遊牧民のゲル滞在中はシャワーは0回だと思ってください。
乾燥しているのでシャワーなしでも気持ち悪くはないし、鼻が慣れるので獣臭も気になりません。
ただし、ゲル滞在中はの話。
ホテルに戻ったら、自分の獣臭さにうわ・・・!ってなりました(笑)
モンゴルバックパッカー旅:モンゴル語は必須?
モンゴル語の重要度は、旅の仕方次第です。
ここくまは英語でホームステイ先を探したので、ホームステイ先でも英語でコミュニケーションをとりました。
ですが、英語が通じるのは家族の中の一人だけ。
他の人とはボディーランゲージでなんとか乗り切りました。
相手国にせめてもの敬意を払いたくて、こんにちは「サインバイノ」ありがとう「バイルララー」だけは覚えて使っていました。
そのおかげか、モンゴル語を熱心に教えてくれた人がいて、モンゴル旅行後半は数字や食べ物の名前など簡単な単語は使っていました。
観光地では英語が通じますので問題ありませんが、ホームステイや田舎の方では英語が通じないシーンも多々あります。
モンゴル語に限った話ではないですが、現地語は喋れたら喋れるだけ現地に溶け込めて楽しいことは確かです。
モンゴルバックパッカー旅:ホームステイ先はどうやって探す?
①マッチングサイトを利用する
ここくまはworkawayを利用して、ホームステイ先を探しました。
類似サービスにWWOOFやHelpXがあります。
workawayは4時間ほど働く代わりに、宿とごはんを提供してもらうマッチングサービスサイトです。
求められる仕事内容は農作業や、清掃、調理、PCでの作業など多種多様。
滞在先も世界中にあります。
ホストも様々で、労働力が欲しい人もいれば、異文化交流が目的の人もいます。
ここくまは女性一人旅なので、workawayの滞在者、ホストが相互に評価するシステムがの魅力でこのサイトを使っています。
怪しいホストファミリーを事前に避けられるのはありがたいです。
②現地ツアーを組む
現地のゲストハウスがいろいろなツアーを手配してくれます。
ここくまはこの方法で現地ツアーを申し込んだことがあります。
カスタマイズしてもらえるし、何より国内ツアーよりもお安く旅ができるので、貧乏バックパッカーにはありがたいです。
③国内ツアーで行く
国内ツアーはなんといっても安心感が違いますね。
トラブルにあっても日本語で対応してもらえるのも心強いです。
価格は現地ツアーよりもお高めです。
まとめ
今回はモンゴルで遊牧民のゲルに滞在させてもらった時のことを書いてきました。
日本での暮らしとは全く違っていて、滞在中は楽しさも考えさせられることも大変なこともたくさんたくさんあったホームステイでした。
旅を通して、生き方を見つめたり、いろんな経験をしたい人とって、モンゴルはうってつけなんじゃないかと思います。
モンゴルに知り合いもツテもない状態でも最高のホームステイができたので、ぜひ、行ってみてほしいと思います。
あなたの旅の参考になったら嬉しいです!
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